このページは普段聞いたこともないような海上自衛隊で使用されている用語をまとめたものです。
専門的な用語からやや隠語的なものまで集めてみました。
 「これは違うぞ」とか「こんなものもあるよ」という方はお教えいただければありがたく思います。

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    な は  や ら わ

A
AGB
砕氷艦のこと
AGF
海洋観測艦のこと
AOE
補給艦のこと
AOS
音響観測艦のこと
ARC
敷設艦のこと
AS
潜水艦救難母艦のこと
ASE
試験艦のこと
ASR
潜水艦救難艦のこと
ASU
特務艇のこと
ASY
特務艇のこと
ATS
訓練支援艦のこと
A幹 えーかん 防衛大学、一般大学を卒業して幹部候補生学校に入校した学生のこと。特に事故等を起こさなければ将来2佐以上には昇任できる。ただし3尉任官後数年は士長にもいじめられる。正式名称「一般幹部候補生課程」
B幹 びーかん 海曹を4年以上経験したものが部内試験に合格して幹部候補生学校に入校してきた学生のこと。また、航空学生もここに分類される。約7割の海曹は受験したがらない、なぜなら転勤区が全国になる上、幹部になっても大して出世は望めず責任ばかり増えて給料は増えないから。正式名称「部内幹部候補生課程」
C
CIC しーあいしー 艦船における戦闘情報処理室のこと。レーダーやソーナー等の情報はここに集められ、ほぼすべての戦闘指揮はここから各部に達せられる
CPO しーぴーおー 艦船において海曹長、1曹の先任者が住む部屋、曹士の上陸を管理したりしている。あまり立ち入りたくない部屋ではあるが、上陸等に響いてくるので愛想笑いで機嫌をとる人が多い
C幹 しーかん 海曹長まで昇任した後幹部候補生学校に入校した学生のこと。通称「とっつぁん幹校」昔はこれを逃げて十数年曹長を勤めた強者もいたが、最近は人事課の圧力も強く逃げ切れなくなってきている。40代で曹長になると危険信号、正式名称「幹部予定者課程」
D
DD
汎用護衛艦のこと
DDG
ミサイル護衛艦のこと
DDH
ヘリコプター護衛艦のこと
DE
小型の護衛艦のこと
E
F
G
H
I
J
K
L
LCAC
ホバークラフト型輸送艇のこと。主にLSTに搭載されている
LCU
輸送艇のこと
LST
輸送艦のこと
LSU
ビーチング(砂浜に乗り上げること)のできる輸送艦のこと
M
MCL
掃海管制艇のこと
MSC
掃海艇のこと
MSDF
海上自衛隊のこと、頭にJをつけてJMSDFということの方が一般的
MSO
掃海艦のこと
MST
掃海母艦のこと
N
O
OBA
火災時に消化班が防火衣とともに身につける非常用呼吸器、循環式となっており自分の吐いた呼気の中から二酸化酸素を酸素に還元する仕組みになっている。ボンベ式のものに比べ軽い、取り扱いが簡単という利点があるが、ボンベ式より若干呼吸が苦しい、取り扱いを間違えると爆発するという欠点もある
P
PB
哨戒艇のこと
PG
ミサイル艇のこと
Q
R
S
SS
潜水艦のこと
T
TV
練習艦のこと
U
W
WAVE うえーぶ 海上自衛隊における女性自衛官のこと、揶揄で「官品」ともよばれる。大変なセクハラ発言であるとは思うがWAVEで自衛官以外と結婚した人間を私は知らない・・・
X
Y
YB
ビルジ船のこと、ビルジとは船底に溜まった海水や油、また使用済みのエンジンオイルなどのことをいい、船を回ってそれを回収する船のこと
YG
ジェット燃料用の油船のこと、船に航空機用の燃料を補給するのは船が行う
YO
艦艇用の油船のこと
YT
港湾用の曳船のこと、海上自衛隊では「艦」と付く船は必ず曳船を使用して出入港しなければならない
YW
水船のこと、ブイ係留時や錨泊時等岸壁から船に真水が積めない場合にはこの船から真水を補給する
Z
アスロック あすろっく 現在の水上艦艇における主力対潜武器、ロケットの先に魚雷が装備されており艦船から発射された後潜水艦の潜む上空にて魚雷を切り離す。切り離された魚雷は自分で潜水艦を補足探知し命中するまで潜水艦を追い続ける武器
営内者 えいないしゃ 陸上勤務者のうち独身の曹士をこう呼ぶ、独身であっても30歳以上2曹以上であれば既婚者と同じく「営外者」になることができる。営外者になると各種手当てが付くほか、定時になれば許可されなくとも外出することができる。ただし3食はすべて自前となる
煙缶 えんかん いわゆる灰皿のこと、船では基本的に喫煙できる場所が決まっておりそこに置かれていることが多い。わかりやすいように赤に塗られている。
オスタップ おすたっぷ 海上自衛隊で言うところのバケツの意、昔「ウオッシュダブ」(直訳で洗浄用バケツ)と呼ばれていたが、だんだん略されていった物らしい。海上自衛隊にはこのような言葉がいくつも存在する
親甲板 おやかんぱん 各分隊にいる甲板海曹のまとめ役、CPOの海曹が任命される
海曹士 かいそうし ようするに下士官兵のこと、3曹以上海曹長までを海曹、3士以上士長までを海士という
カレーライス かれーらいす 海上自衛隊において毎週金曜日の昼御飯にはカレーが出るという伝統がある。これは長期出航している時、乗員が曜日感覚を忘れないようにするためらしい、調理員に言わせると「あまった調味料、香辛料の処理に最適」とか・・・
甲板 かんぱん 船のデッキのことを指して言う。また、各分隊にいる雑用、清掃、分隊で行う作業などを取り仕切る海曹のことを指しても言う
官品 かんぴん 国から支給されている物品のこと、街で売っている物に比べて値段が高く耐用年数が長いという特徴がある。またWAVEの揶揄、海上自衛官に生まれた子供のことを差して言うこともある
航発後帰 こうはつこうき 遅刻して出航に間に合わなかったことを言う。海上自衛隊においてもっともやってはいけないことの一つ。懲戒処分の対象となるばかりか、副賞?として約1ヶ月以上の上陸止めをもらう
さく いわゆるロープのこと
さけ アルコール飲料全般をさして言う。海上自衛官においては酒は飲むものではなく酒に飲まれるために存在する、通称「燃料」
士官室係 しかんしつがかり 士官室において幹部の給仕を行ったり士官寝室の清掃などを行ったりする係のこと、各分隊の海士から1名ずつ任命されることが多い。この係になると幹部に文句や注意されることが少なくなる、なぜなら幹部達の食事を皿に盛りつけるのは彼らなのだから・・・
シャリ番 しゃりばん 艦船部隊において食事後の食器を洗ったり食堂の掃除をする係のこと。通常海士から3名ほど親甲板に任命される、ただし掃海艇など小さな船では3曹の若手もこの係につくことがある。正式名称「食卓番」
巡検 じゅんけん 掃除後に当直士官が掃除状況、隊内の状況を点検して廻ること、おもに1日の締めくくりに実施される。陸上、航空自衛隊では行われていない。
上陸 じょうりく 海上自衛隊において基地から外出することを上陸という、艦船部隊、陸上勤務の営内者には上陸は許可される物であり権利ではないところがミソ、つまり許可権者が許可しなくては外出もできな
上陸止め じょうりくどめ 帰艇時刻遅延や不当借財など懲戒処分にならない程度の悪事を働くとCPOから言い渡される罰、いわゆる船からの外出禁止である。期間にもよるが下手な懲戒処分よりもきく
生糧品 せいりょうひん 船に積む生鮮食料品のこと、この限られた材料でいかにおいしいものを多く作るかが調理員の腕の見せ所となる。「何日分積めるか」などは特に潜水艦などでは「秘」になるらしい
捜索隊 そうさくたい 色々な事情から船、隊に帰ってこず行方不明になってしまった隊員を探しに行くときに組まれる。
大体所属分隊が中心となって行われ、立ち寄りそうなパチンコ屋、飲み屋を廻る、この際かかった費用はすべて逃げた隊員に後日請求されることとなる
そうふ そうふ 甲板などを拭うために使用されるモップのような掃除道具、長い柄の先に50cmほどの束ねた紐が付いている形状をしている。これを使いこなせないと一人前の海上自衛官としては認められない
台風避泊 たいふうひはく 係留中の港に台風が近づくと護衛艦などの大型艦は港を出港して港外に錨泊し、掃海艇などの小型艦は係留索を増やすなどして台風に備えること。台風をやり過ごすまで船の乗員は総員いなければならないので、台風シーズンに立てた予定は未定で終わることが多い
懲戒処分 ちょうかいしょぶん 隊員が悪いことなどをしたときに自衛隊から受ける正式な処分のこと、上から「免職」「降格」「停職」「減俸」「戒告」「注意」があり、だいたい「停職」以上が重処分、それ以下が「軽処分」といわれている。これをもらうと出世、給料、退職金に響いてくるのでかなりツライ。ちなみに「注意」は正式な懲戒処分ではないのでこの限りではない
貯糧品 ちょりょうひん 船に積む米や調味料などの保存の利く食料品のこと、生糧品に比べて一回ごとの積む量が半端ではなく多く単品が重いため貯糧品搭載作業は乗員が嫌がる作業でもある。「何日分積めるか」などは特に潜水艦などでは「秘」になるらしい
地連 ちれん 正式名称「地方連絡部」、各主要都市に設置され主に自衛官の募集を行う。昔は入隊希望者を捜すのが大変だったらしいが、今は待っていてもいっぱいくるとのこと。ここに勤務しておいる自衛官を通称「地連のオヤジ」または「地レンジャー」という
マーク まーく 各人に割り当てられた職種のこと、大きく分けて「攻撃要員」「船務要員」「機関要員」「補給要員」「衛生要員」「航空要員」がある。この中から自分の職種を選び、術科学校などで基本を学んだ後部隊での実践ののちその道のスペシャリストとなっていく。
マル掃 まるそう 「掃海」マーク以外の人間で掃海艇に乗っている人のことを言う。基本的に船務、機関、補給メークの人間は護衛艦にも乗れるのだが、一度掃海艇に乗ると人事課にある書類に「マル掃」と書かれ二度と護衛艦などに戻れなくなり掃海艇しか乗れなくなるといわれている。

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