日本に6基しかないバットレス式ダムの中で、一番最初に、大正12年に建設されたダム。
 すでに完成から80年以上経っており、昭和23年と昭和58年に2回の改装、補強工事が行われています。この2度
の工事によりダムの外観は完成時に比べてかなり違ったものになっています。
 このダムを訪れる際、降車するバス停がわからなかったので運転手さんに尋ねたら「通りすぎたよ」とのこと、困った
顔をしていたら「このバスはここから回送になるから近くのバス停まで送ってやるよ」と天使の一言!函館人の人情を
感じることができました。
 訪れた日は平日と言うこともあり私達以外誰もいませんでしたが、ダムサイトは公園&キャンプ場になっておりよく整
備されていました。

 
 笹流ダムを下流側からみる。規模としてはそれほどで
はないが、ダムとは思えない綺麗さに少し見とれまし
た。
 日本最初のバットレス式ダムということで、平成13年
に土木学会選奨土木遺産に元町配水場とともに「函館
市の水道施設群」として認定されています。
堤体を間近で見ると扶壁の美しさがよくわかります。
改修工事によって扶壁の厚さは約3倍ほどになっているらしい。
右岸側からダムの天端を撮る。写真左側がダム湖、右側がダム公園。思ったよりも天端は狭かった。バットレス式ダムの天端は他の同規模ダムに比べ狭いように思えます。
ダム湖の水は函館市の上水道に利用されるためか、北海道だからか水は澄んでいて綺麗です。石斑魚?と思わしき魚も多数泳いでいました。
ダム湖側から堤体を見る、初夏と言うこともありダムの水はほぼ満水に近い状態のようでした。
自然越流式の非常用洪水吐き。二十数基のゲートが並んでおり、越流した水は水路を通って真ん中に集まるようになっているようです。
で、集まる場所がこの穴。深さは5m程あり誤って落でもしたら助からなさそう。穴の左奥に水路が横に延びており、そこから下流へ導水されて放流されるようになっているようです。
天端に登る道にあった看板。北海道だけあって熊が出没するらしい・・・無用な入山ではないのでまたいで通りましたが、天端に着くまでの間一緒に行った先輩と大声で雑談しながら歩きました。結局熊に会うことはなかったが、もし会っていたらこのサイトを作れていたかどうか・・・・・


笹流ダム緒元
形式 扶壁式中空鉄筋コンクリートダム
目的 上水道用水
河川名、水系 亀田川水系亀田川
左岸住所 北海道函館市陣川町
提高 25.3m
提頂長 199.39m
提体積 16,000m3
集水面積 5420u?
湛水面積 76u?
総貯水容量 606,000m3
有効貯水容量 576,000m3
クレストゲート 自由越流式?門(幅?m×高さ?m)
事業者 函館市
施工者 函館市直営
竣工 1923年
ダム湖名 笹流貯水池
関連ホームページ 函館市水道局のホームページ
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


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