阿武川ダムは山口県では最大の提高95mを誇り、なおかつ全国的に珍しい「重力式アーチダム」です。
このダムの下流には有名な「萩市」がありますが、萩市は阿武川が萩市街上流で派流の橋本川と分かれて日本海に
そそぐ際、デルタ地帯として発達した土地の上に建設された都市のため絶えず洪水に見舞われていました。
 阿武川ダムはそれを緩和するため昭和39年から予備調査を開始し、昭和50年3月に竣工しました。
 この辺り一帯の地質が粘板岩、石灰岩ということもあり純粋なアーチダムとして施工するには多少強度不足であった
ため、重力式アーチダムとして建設されたものと思われます。
 見学に行った日には下流の発電所がオーバーホール中ということで、河川維持用水の確保のためコンジットゲート1
門から放流を行っていました。
 また、ダム下流すぐには村営の温泉施設もありもしかするとダムを見ながら温泉につかることができるかも知れませ
ん。

  斜め前方からダムを見る、下流側から見たところでは
重力式コンクリートダムに見えます。
 2門ずつ左右に分かれたクレストゲートが特徴的でもあ
ります。
  ダム左岸側にあった駐車場からダム湖を望む、河川維
持用水として放流しているためか水位は低いように見え
ました。
やや上流側から提体を見る。上流側から見るときちんと
した?アーチ式ダムに見えないこともない。
左岸側から天端を見る、きれいにアーチを描いているの
がよくわかります。
なお、天端上は一般車両立ち入り禁止で徒歩での見学
では立ち入ることができます。
ちなみに対岸はすぐに行き止まりになっています。
右岸側から提体を見る、やはりこう見ると緩やかにカーブ
を描いた重力式こコンクリートダムに見えます。
クレストゲートから伸びる導流壁がかっこいいです。
天端から下流を望む、やや左奥に見える建物が村営温
泉施設。この日は寄らなかったので温泉からダムが見え
るかどうかは未確認です。
そして気になる手前の水しぶき・・・・・
3月まで発電所のオーバーホールを実施中のため、河川維持用の放流をコンジットゲート1門から実施していました。
コンジットゲートを望遠で撮ってみました、左岸側の天端から撮ったのですが放流につき物の音などはあまり聞こえませんでした。
提体を正面から見たところ、ダムのすぐ下流にある村営温泉施設からダムへ通じる道があったので行けるところまで行って見ました。
やはり放流はダム見学の醍醐味でもありますね。


阿武川ダム緒元
形式 重力式アーチダム
目的 発電、洪水調整、不特定用水、河川維持用水
河川名、水系 阿武川水系阿武川
左岸住所 山口県阿武郡川上村字なんかけ
提高 95m
提頂長 286m
提体積 426,500m3
集水面積 523,000u
湛水面積 420ha
総貯水容量 153,500,000m3
有効貯水容量 131,500,000m3
クレストゲート ローラーゲート4門(幅12.74m×高さ8.55m)
コンジットゲート バーチカルリフトローラーゲート3門(幅3.8m4×高さ2.5m)
事業者 山口県
施工者 前田建設工業
竣工 1974年
ダム湖名 阿武湖(あぶこ)
関連ホームページ 山口県土木建築部河川開発課のホームページ
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。

山口県のダムへ