木曽川水系王滝川最上流に位置するダム。ダムまでかなり綺麗な道が続いていますが国有林内の林道のため基本
的に一般車は通行止めなので、ゲートに車を止めて約8Kmほどの道のりを片道2時間ほどかけて歩かなければなりま
せん。 一本道でたいした悪路でもないので周りの景色を楽しみながら歩けると思います。
 ダム自体は歴史の古いダムで終戦直前に発電を開始し、ここで作られた電気は遠く関西方面に送電され、戦後日本
の復旧に大きな役目を担ったダムでもあるようです。このような秘境に戦前から着工できた日本の土木技術にはいつ
もながらに脱帽してしまいます。
 また提体も戦前に完成したダムで堤高が2番目に高く、土木学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構
造物2000選 」に選定されています。


  車で行ける最深部、このゲートから約8kmほどは自分
の足で歩かなければならりません。
 今回は「ダム好きさん」主催のOFF会に参加した関
東、中部、近畿地方のダムマニアの皆さんとご一緒しま
した。
 林道を談笑しながら歩くこと約2時間、木々の隙間から三浦ダム提体が見えてきました。
 私も含め参加者全員の疲れはこの瞬間吹き飛んだようです。
  提体を左岸やや下流側から見る、長年の風雪、昭和
59年の長野県西部地震にも耐えたその苔むした提体
はすばらしい風格を持っていました。
 重力式ダムの上皇?といったように感じました。
発左岸側から天端を見たところ。
豪雪地帯のためかゲート操作室まで天端に通路が作ってありました、おかげで天端からダム湖が見えません。
ちょっと残念ですが仕方がないですね。
こ天端から下流を見る。
すばらしい自然に囲まれたダムだということが実感できます。
手前にあるのは発電所で発電された電気を送電線に乗せるための変圧所(昇圧)です。
なお右上にガードレールっぽいものが見えますが、これは今回歩いてきた林道(滝越三浦林道)ではなく、この林道ができるまで使われていた旧ルート(上黒沢・御岳・一之瀬林道)であると思われます。
天端から発電所をみる、重力式ダムで直下に発電所があるのは珍しいと思います。
なおここで使用された水はすぐにまた取水されそのまま水圧管路を通り林道の出発地点にある「滝越発電所」に導水されるような仕組みになっているようです。
また、発電所から変電所まで電線が見当たらないので、送電線は地下を通っているものと推定されます。
洪水吐ゲートから放流された水はこの地下トンネルをに入り尾根を一本越えた白谷川に放流される仕組みになっているようです。
右岸側から天端を見たところ。
左に見えるのが洪水吐ゲートであるローラーゲート、以前はラジアルゲートを使用していたそうです。
なぜローラーゲートに変更したかは不明です。
右岸に建立された慰霊碑の辺りからダム湖を望む、水位は大分低いようです。
中央右に見えるのがインクライン、左に見えるコンクリートの廃墟は何なのか不明です、コンクリートプラントの名残かな?と予想しますが・・・
右岸側やや上流から提体を見る、半円を基本とした取水設備がかわいいです。古い提体のチャームポイントとでも言いましょうか?
写真を撮った位置のやや上流には尾根の向こうを流れる白谷川から取水した水を三浦貯水池に導水している水路もありました。
貴重な資源、一滴たりともムダにはしないようです。
左岸側に戻り少し山肌に上って提体を見る。
ところどころ化粧コンクリートが剥がれ落ち、苔むしていようともその存在感は変わらず圧倒的なものに見えます。
手前に見える焼却炉がちょっとおちゃめ?
管理所にお手洗いをお借りしたときに窓から提体を撮らせていただきました。
快く管理所の中に入れていただいてありがとうございました。
下流に回って提体を見る。
下流からはあまり近づけなかったのは残念です。
滅多にこれるような場所ではないので無茶してみようとも思いましたが、「見学はマナーを守って礼儀よく」ということでやめました。
三浦ダムから一尾根越えたところを流れる白谷川、この川は上流で取水されて三浦貯水池に導水されたと思ったら、そのすぐ下流ではダムの洪水吐ゲートから放流された水を受け入れたりと大変働き者の川です。
三浦ダムの影の立役者といったところでしょうか?
なおどんなにがんばっても洪水吐トンネルの出口を見ることはできませんでした。


三浦ダム緒元
形式 重力式コンクリートダム
目的 発電
河川名、水系 木曽川水系王滝川
左岸住所 長野県木曽郡王滝村三浦
提高 83.2m
提頂長 290m
提体積 507,000m3
集水面積 73,480u(白谷4,080u)
湛水面積 280ha
総貯水容量 62,215,712m3(建設時)
55,909,200m3(平成3年時)
有効貯水容量 61,600,000m3(建設時)
55,480,800m3(平成3年時)
クレストゲート ローラーゲート2門(幅7.00m×高さ8.31m)
事業者 関西電力
施工者 間組
竣工 1945年
ダム湖名 三浦貯水池(みうらちょすいち)
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


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