内日ダムはダム下流域に広がる内日盆地の灌漑用水供給の為に建設された灌漑ダムです。この地域は昔から慢
性的な旱魃被害が多い地域だったようで、かなり早期から灌漑用水整備の必要性が訴えられており、その声を受け山
口県営灌漑排水事業の一環としてこのダムが築かれることとなりました。
 提体は最近できたダムでは珍しいアースフィルダムで、内日ダムはその中でも提高は41.2mとかなり大きい部類に入
るダムです。ダムサイトも公園などの施設が綺麗に整備されており休日にお弁当を持ってゆっくり散歩に訪れるのもよ
いと思います。
 また、この近所に内日第1ダムと内日第2ダムがありますが、この二つのダムは水系も使用目的も違うまったく別の
ダムで名前が似ているだけでこのダムとは関係ないようです。

  右岸側から天端を見たところ、アスファルトで舗装され
ておりとても綺麗に見えます。
 天端上は朝8時から午後5時まで一般車も通行できる
よう開放されていました。
  右岸ダム湖側から提体を見る、こちらから見るとリップ
ラップのせいかアースフィルダムではなくロックフィルダム
に見えます。
 提体は緩やかに逆アーチを描いているようです。
 内日ダムの洪水吐、ここから見るとあまり大きくないよ
うですが幅約56mととても大きな洪水吐きを持っていま
す。
 洪水吐の左に見える建物は取水設備であわせて7本
のパイプで取水しているようです。
 天端から下流を見る、提体直下にはよく整備された公
園と小さ目のグラウンドがありました。天端から階段で公
園まで降りていけるようになっていました。
 天端からダム湖を見る、2月というのにダム湖はほぼ
満水に近い状態でした。流木止めには何一つ引っかかっ
ていませんでした、掃除が徹底されているのか元々あま
り流れてこないのか・・・?
 洪水吐導流部を天端から見る、越流していないのに微
妙に水が溜まっているのは謎。
 洪水吐の越流部分、集水面積もたいして広くないのにここまで大きな洪水吐なのはなぜなんでしょう?
 最近フィルダムではこのアングルが好きです、河川維持用水を放流しているようでした。
 導流部の下のほうにあるスリットみたいなものは何なんでしょう?結構謎の残るダム見学となってしまいました。
 提体を下から見たパノラマ写真、提体に植え込みで「内日ダム」と書かれているのがお分かりになるでしょうか?
 展示館等はありませんでしたがどちらかといえば「開かれたダム」の部類に入ると思います。


内日ダム緒元
形式 傾斜コアー型ゾーンタイプフィルダム
目的 灌漑用水
河川名、水系 木屋川水系山瀬川
左岸住所 山口県下関市
提高 41.2m
提頂長 229m
提体積 500,000m3
集水面積 3,180u
湛水面積 11.8ha
総貯水容量 1,260,000m3
有効貯水容量 1,123,000m3
クレストゲート 横溝越流式1門(幅56.4m)
事業者 山口県
施工者 アイサワ工業、シマダ
竣工 1989年
ダム湖名
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。

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