
提高が15m以上ありダムとして認められているアーチダムのうち、もっとも提高の低いのがこの宮の元ダムです。こ
こまで提高が低いとなぜアーチダムとして設計したのか?重力式ではダメだったのか?等の疑問も生まれますが当時
の技術者の考えはよくわからないのでおいておくことにします。
宮の元ダムで取水された水は発電所を通ることなく東側にひと尾根越えたところにある諸塚ダムの貯水池へと導水さ
れていきます。宮の元ダムは発電ダムというよりは導水用の取水堰と言ったほうがよいのかもしれません。
またこのダムにも西にひと尾根越えたところにある「山瀬ダム」(提高15m以下)からの水が導水されてきています。
このダムに至る道は細く見通しも悪いので十分注意して訪れるようにしてください。
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左岸側下流から提体を眺める。
アーチダムというにはとてもかわいい提体です。
現在クレストゲートから全面越流中のようです(笑)
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天端を左岸側から見る。
完成から約40年経ち、ダム湖はほとんど土砂で埋まってしまっているようです。
発電用の取水ダムというより砂防ダムに見えないでもありません。
パッと見た感じ越流部分では提高が18.5mもない様なので、この提高は基礎岩盤から写真中央に見える右岸側ウイングの天端までの提高であると思います。 |
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右岸側上流から提体を見る。
左端にある取水口部分を除いてほとんどダム湖が埋まってしまっているのがよくわかります。
水よりも土砂の圧力の方が強いと思うので少し心配になったりします。 |
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左岸にある取水口と集塵装置、たまに動いているようで集塵装置の下には流木が山積みされていました。
また、取水口のあたりは十分水深が残っているようでダムとしてまだまだ機能できることが伺えます。 |
宮の元ダム緒元
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形式 |
アーチ式コンクリート |
目的 |
発電 |
河川名、水系 |
耳川水系七ツ山川 |
左岸住所 |
宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七ツ山 |
提高 |
18.5m |
提頂長 |
87.4m |
提体積 |
4,000m3 |
集水面積 |
65,800u |
湛水面積 |
?ha |
総貯水容量 |
141,000m3 |
有効貯水容量 |
62,000m3 |
クレストゲート |
自由越流式1門(幅?m×高さ?m) |
事業者 |
九州電力 |
施工者 |
梅林建設 |
竣工 |
1961年 |
ダム湖名 |
? |
関連ホームページ |
九州電力 宮崎支店 |
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。
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