天ヶ瀬ダムのある多久市は佐賀県随一のみかん生産地でありながらしばしば干ばつに見舞われていました。その対
策としての水源確保のために計画、施工されたのがこのダムだそうです。このダムの竣工を契機に、「うまい佐賀のみ
かん」の確立をめざすとの事が書かれていましたが、現在「佐賀のみかん」の認知度はいかがなものでしょうか?
 つまりこのダムはダム下流域に337haにわたって広がるみかん畑のためだけのダムということになります。ある意味
珍しい用途のような気がします。
 ちなみに同名のダムが京都府にも存在しますが、こちらは提高73mのアーチ式コンクリートダムで同じ天ヶ瀬ダム同
士でも似ても似つかないものとなっています。
 提体本体は「傾斜コア型ゾーンタイプフィルダム」という施工がなされており、数あるアースダムの中でもかなり本格的
なダムであろうと思います。

 
左岸側から提体下流面を見たところ、下流面の斜面は
数段に分かれています。
微妙に刈り残された草が気になるところです。
左岸側にあった自由越流方式の洪水吐、貯水率は10
0%なのか多少越流しているようです。
天端から見た洪水吐の導流部、さらさらといった感じの静かな放流をしていました。
左岸側から提体上流面をみたところ、上流面はコンクリートでしっかりと保護されていました。
天端から下流を望む、フィルダム特有の提体を一直線に登る階段が降りてみたいという誘惑を駆り立てます。
下流に広がる段々畑がまた素敵です。
もう少し下流にはみかん畑が広がっているらしい…
天端からダム湖を見る、ダム湖にはカモがいっぱい泳いでいました。
右岸側の少し高台になっていたところから天端を見る。
天端上は一般車通行可能ですがすれ違いは難しそうでした。
ダム湖畔に見える建物は普通の民家で管理所と思しき建物はどこにもありませんでした。
灌漑用のフィルダムなので仕方がないのでしょうが。
下流側のやや離れた所から提体を望む、手前の段々畑、奥の山に埋もれてしまい、洪水吐がなければここにダムがあるということは分からないかも知れません。
実際見つけるのに少し苦労したダムでした。


天ヶ瀬ダム緒元
形式 傾斜コア型ゾーンタイプフィルダム
目的 灌漑用水
河川名、水系 六角川水系瓦川内川
左岸住所 佐賀県多久市南多久町大字天ヶ瀬
提高 39.4m
提頂長 270m
提体積 369,000m3
集水面積 1,560u
湛水面積 6ha
総貯水容量 532,000m3
有効貯水容量 504,000m3
クレストゲート 横越流型1門(幅?m×高さ?m)
事業者 佐賀県
施工者 フジタ・岸本組
竣工 1981年
ダム湖名
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


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