岩屋戸ダムは数々の水力発電ダムが存在する宮崎県耳川水系の中で有名な「上椎葉ダム」と「塚原ダム」の中間地
点に位置するダムです。そのため存在感は薄く感じられ気味ですが竣工は1942年と戦中に完成した珍しいダムであ
り、上流に位置する「上椎葉ダム」よりもひとまわり以上先輩のダムということになります。
 建設にあたっては先輩ダムである「塚原ダム」を参考にしたのかパッと見では「塚原ダム」を縮小コピーしたような形
に見えますが、「塚原ダム」が直線重力式であるのに対し「岩屋戸ダム」は提体がわずかに「  」状にカーブしている
ように見えました。見間違いだったらすみません。
 九州電力の耳川水系のダム群はそのほとんどが日向市にある九州電力日向電力所からの遠隔操作において管理
されており、このダムも例により無人管理されていました。
 なお天端は基本的に立ち入り禁止となっているようですが、丁度見回りに来た職員様の許可を得て立ち入らせてい
ただきました。
 
  塚原ダムを越えさらに国道327号線をずんずん通り
進んでいくと岩屋戸ダムが見えてきます。
 提体を左岸側下流から見る、このダムは提体を下流
側から見られるポイントが少ないように感じます。
 しかも時間的に逆光の写真となってしまいました。
 左岸側から天端を見る、微妙に曲がっているのがお分かりになるでしょうか?
 もしかしたらゲート巻き上げ機をよけるように天端を作ったからこうなっただけかもしれませんが…
 待つ!情報!!です。
 
 天端から下流を望む、とても綺麗な川で水は透き通っていて川底が見えるほどでした。
 この下流には「塚原ダム」があります。
 天端からダム湖を望む、下流側に対し水が緑色です。耳川水系のダムの貯水池のほとんどがこのような色をしていました。
 このさらに上流には有名な「上椎葉ダム」があります。
 右岸側にあった建設時の遺構、ケーブルクレーンの跡なのかコンクリプラントなのかは分からずじまいでした。
 「塚原ダム」の建設時にはケーブルクレーンが使われていたので「岩屋戸ダム」でも使われている可能性は大きいと思います。
 天端を右岸側から見る。微妙に中央付近で折れ曲がっています。
 天端の両側はフェンスでしっかりガードされています。
 右岸側から提体下流面を見る、日陰と日向の明るさのギャップでとてつもなく見難い写真になってしまいました。
 
 右岸側にあった慰霊碑、年季を感じます。
 ここでもダム建設時にかなりの殉職者を出したようです。
 
 ダム湖上流からダムを望む、満々と湛えた水とダム、山の緑がとても美しく感じられました。
右岸側からダム上流面を見たパノラマ、手前のごみが一箇所に集まっているのが不思議なところです。
あまり風もなくダム湖が鏡のようになっており、ごみさえなければよい写真になったのではと思いました。


岩屋戸ダム緒元
形式 重力式式コンクリート
目的 発電
河川名、水系 耳川水系耳川
左岸住所 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良
提高 57.5m
提頂長 171m
提体積 145,000m3
集水面積 363,700u
湛水面積 39ha
総貯水容量 8,309,000m3
有効貯水容量 6,358,000m3
クレストゲート ラジアルゲート8門(幅?m×高さ?m)
事業者 九州電力
施工者 間組
竣工 1942年
ダム湖名
関連ホームページ 九州電力 宮崎支店
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


宮崎県のダムへ