日南ダムは昭和36年の台風による氾濫で下流に位置する日南市が被った床上浸水300戸、床下浸水1700戸以上に
及んだ被害を二度と繰り返さないように建設された治水ダムです。またそのほかに不特定用水、河川維持用水の供給
という役割を果たしているどちらかといえば多目的ダムといえるダムと思われます。
 毎年5月に、ダム湖の上をこいのぼり が泳ぐなど地域おこしにも活発な活動を行っているようで、ダム湖畔に「道の
駅」酒谷が建設されており、また近くには小布瀬の滝や坂元棚田など観光名所も多数存在しています。
 このダムの特徴としては特徴的な洪水吐があげられると思います。その部分だけ見るとまるで中世のお城に迷い込
んだような気持ちになれるはず??です。

 
  正面から提体を見る、こちらから見るといたって普通
の中規模ダムのように見えます。
 なお、毎年5月には提体の前に多数のこいのぼりが
飾られるらしいです。
 ここから見るとクレストの高さが両端と中央部分で違う
ように見えますが実は全部同じ高さです。
 左岸側から天端を望む、ちょっと逆光っぽい写真になってしまいました。
 なお天端上は一般車通行可能ですが対岸側は細い道が続いていてあまりお勧めはできません。
 左岸側やや上流から提体を見たところ。
 雨の日の後ということもあって特徴的な洪水吐から越流していました。
 天端から下流直下を見たところ。
 提体の低いところに開けられたオリフィスからはバンバン水が流れ落ちていました。
 普通の自然越流式タイプのダムに比べると落差がない分いささか迫力不足かもしれません。
 天端から下流を望む、この下流には広島カープのキャンプ地で有名な広がっており日南市があり、また日南市沿岸部で酒谷川と広渡川との合流地点があるため、このダムでの治水の意味がわかる気がします。
 ちなみに減勢工は水没していました。
 天端からダム湖を見る。
 ゴミひとつ浮いていないとても綺麗なダム湖です
 この上流には道の駅「酒谷」など観光名所が多数存在しています。
 右岸側から天端を見る。
 左岸側から見るとわかりづらいのですが、こちらから見ると天端が折れ曲がっており直線でないのがよくわかります。
 右岸側下流面から提体を見る、非直線的なデザインがとてもかっこよく見えました。
 管理所の裏から提体を見る、現在貯水率100%でどんどん水が越流していました。
 常時満水位とサーチャージ水位で結構高さをとってあるようです。
 管理所奥に併設された日南ダム資料館。
 こじんまりとした資料館ですが展示物は日南ダムの建設の歴史を綴ったものや記録ビデオなどとても濃いものとなっていました。 
 このダムの見所でもある特徴的なオリフィスゲートをパノラマで撮ったところ、この中世の城壁のようなデザインに私は惹かれとても訪れたいダムでもありました。 時間が許せばずっと見ていたかったです。


日南ダム緒元
形式 重力式コンクリートダム
目的 洪水調整、農地防災、不特定用水、河川維持用水
河川名、水系 広渡水系酒谷川
左岸住所 宮崎県日南市酒谷大字名尾
提高 47.0m
提頂長 189.0m
提体積 191,000m3
集水面積 59,200u
湛水面積 41.0ha
総貯水容量 6,000,000m3
有効貯水容量 4,640,000m3
クレストゲート 自由越流式8門(幅?m×高さ?m)
オリフィスゲート 自由越流式2門(幅4.3m×4.3m)
事業者 宮崎県
施工者 飛島建設・志多建設
竣工 1984年
ダム湖名 酒谷湖
関連ホームページ 宮崎県土木部河川課ダムのページ
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


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