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諸塚ダムは九州地方では唯一の中空重力式コンクリートダムであるとともに、諸塚発電所を基幹とする九州地方で
始めての混合揚水発電を行ったダムの上部ダムに当たります。なお、下部ダムは山須原ダムがその役目を負ってい ます。
上部ダムであるこの諸塚ダムには一尾根越えたところにある宮の元ダムからの水も導水されており、山須原ダムか
ら揚水された水だけではなく、通常の川の流水を効率的に発電に利用しているダムといえると思います。
なおこのダムの下流には山須原ダムとの間に「柳原ダム」という取水堰がありそこで取水された水は一尾根越えたと
ころにある「七つ山ダム」という取水堰に送られ、そこからさらに塚原ダムに送られています。
つまりこのダムのすぐ下流で降った雨は「柳原ダム」→「七つ山ダム」→「塚原ダム」→耳川→「山須原ダム」→揚水
→「諸塚ダム」という順序で降った時点より上流にあるダムに戻されるというなんだかややこしいサイクルを形成してい ます。
中空重力式という珍しい形式でありながら普段は滅多に人も通らない山中にあるダムのため見学場所にかなりの制
限があったのが非常に残念に思いました。このダムを訪れる際には九州電力にアポを取ってから見学することをお勧 めします。(必ず許可が下りるとは限りませんが…)
諸塚ダムに続く県道50、209号線は舗装はされていますが非常に狭く曲がりくねった道が続き、このダムを中間点と
して諸塚村から日ノ影町までほぼ民家、通行車両等はないので通行には十分注意したほうがよいと思われます。
ダム便覧を参考に作成しております。
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