諸塚ダムは九州地方では唯一の中空重力式コンクリートダムであるとともに、諸塚発電所を基幹とする九州地方で
始めての混合揚水発電を行ったダムの上部ダムに当たります。なお、下部ダムは山須原ダムがその役目を負ってい
ます。
 上部ダムであるこの諸塚ダムには一尾根越えたところにある宮の元ダムからの水も導水されており、山須原ダムか
ら揚水された水だけではなく、通常の川の流水を効率的に発電に利用しているダムといえると思います。
 なおこのダムの下流には山須原ダムとの間に「柳原ダム」という取水堰がありそこで取水された水は一尾根越えたと
ころにある「七つ山ダム」という取水堰に送られ、そこからさらに塚原ダムに送られています。
 つまりこのダムのすぐ下流で降った雨は「柳原ダム」→「七つ山ダム」→「塚原ダム」→耳川→「山須原ダム」→揚水
→「諸塚ダム」という順序で降った時点より上流にあるダムに戻されるというなんだかややこしいサイクルを形成してい
ます。
 中空重力式という珍しい形式でありながら普段は滅多に人も通らない山中にあるダムのため見学場所にかなりの制
限があったのが非常に残念に思いました。このダムを訪れる際には九州電力にアポを取ってから見学することをお勧
めします。(必ず許可が下りるとは限りませんが…)
諸塚ダムに続く県道50、209号線は舗装はされていますが非常に狭く曲がりくねった道が続き、このダムを中間点と
して諸塚村から日ノ影町までほぼ民家、通行車両等はないので通行には十分注意したほうがよいと思われます。


  右岸側下流から提体を眺める。
 中空重力式ダムの特徴である「たこ足」下流側にあり
ます。これは珍しい方式であると思います。
 手前にある民家のような建物は管理人の宿舎である
と思われますが、耳川水系のほとんどのダムの無人遠
隔化に伴いもう使われていないようです。
 実際呼び鈴を押しても誰も出てきませんでした。
 天端を右岸側から見る。
 天端にいたる道にはフェンスが張られていたのでカメラを隙間にぐりぐり押し付けて撮りました。
 中央に見えるのはラジアルゲートを支える扶壁
 右岸側下流から提体を見る。
 提体下流面、導流壁、たこ足のスリット、ゲートのハウジングがすべて同じ角度で統一されています。何らかのこだわりがあったのでしょうか?
 管理人の住居だったと思われる民家から提体を見る。
 木が邪魔であまり提体が見えないです。木がなければ相当かっこよく提体を見られるのではないかと思いました。
 提体を右岸側やや上方から見る。
 柳原川沿いに続いている県道より一段低いところにダムが建設されているため丁度よい位置から見学できます。
 提体のほとんどが立ち入り禁止なのでちょっとしたサービスのような気がしました。
 右岸側から望遠で管理所、取水設備を見たところ。
 ここで取水された水は諸塚発電所を通って下部ダムである山須原ダムのダム湖に注がれる。
 上部ダムより下部ダムの規模がかなり小さいので全力で発電した場合ほとんどの水は山須原発電所を通して下流に放流されていくものと思われます。
 上流から提体を望む。
 逆光でシルエットしかわかりませんがこちらから見るとクレストゲートが1門しかないためかかなりこじんまりしたダムに見えます。


諸塚ダム緒元
形式 中空重力式式コンクリート
目的 発電
河川名、水系 耳川水系柳原川
左岸住所 宮崎県東臼杵郡諸塚村大字家代
提高 59.0m
提頂長 149.5m
提体積 94,000m3
集水面積 114,700u
湛水面積 18ha
総貯水容量 3,484,000m3
有効貯水容量 1,260,000m3
クレストゲート ラジアルゲート1門(幅?m×高さ?m)
事業者 九州電力
施工者 間組
竣工 1961年
ダム湖名
関連ホームページ 九州電力 宮崎支店
上記緒元は基本的にはダム案内図を元に制作しておりますが、一部日本ダム協会様の
ダム便覧を参考に作成しております。


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